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コンテンツマーケティングでアクセス解析を生かすために明確にしたい、5つの目的

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こんにちは、はじめまして。インフォバーンKYOTOでアクセス解析を担当している遠山怜欧です。最近ではオウンドメディアを解析することが多くなり、複数のオウンドメディアのレポートを定期的にお客さまに提出しています。

さて、改めて言うまでもありませんが、コンテンツの継続的な運用が肝となるオウンドメディア、あるいはコンテンツマーケティングでは、解析データを基にしたPDCAサイクルは必須。

この記事では、解析レポートをオウンドメディアやコンテンツマーケティングにより活用していくための基本的なポイントをお伝えしていきます。

 

アクセス解析をもっと、サイト運用に役立てるために

アクセス解析を有効活用するために必要なことは、極めて当たり前のことですが、まず「解析の目的を明確にすること」です。これはもちろん、解析設計をする際のアナリストの役割でもありますし、アナリストのレポートを見るディレクターやWeb担当者が理解しておくべきことでもあります。

では、一般的にアクセス解析をする目的にはどのようなものがあるのでしょうか。私が普段意識している、5つの解析の目的をご紹介します。

 

1.KPIと現状の数値の差を確認するため

たとえば、「●月までにPVを月間100万にする!」というKPIが存在したとします。そして、いろいろな施策を展開したものの、残念ながら「100万PV」というKPIは達成できませんでした。その原因はいくつも考えられるでしょう。

ただ最も間抜けで、最も避けたい失敗が、「気づくのが遅過ぎた」というミスです。つまり、4月1日なって初めて3月の月間PVを確認し、「あ、やべ。達成してない」と気づくパターンです。

基本的なことですが、少なくとも月に一度PVをチェックしていれば、事前に(1月や2月の時点で)KPIとの差を確認でき、何らかの策を講じることができたはずです。

アクセス解析の最も基本的かつ重要な目的として、KPIと現状の差を把握することがあります。

 

2.サイトの異常事態にいち早く気づくため

できる限り毎日、サイトのデータを確認することで、サイトの異常事態の発見が早くなります。

急にサイト訪問数が増えた場合は、単純に喜べる場合と、実は炎上している場合の両方が考えられます。たとえば直帰率が急に上がった場合は、サイトの表示になんらかの問題が発生しているかもしれません。逆に特定のキーワードでの訪問が増えた場合は、テレビなどでその言葉が紹介されたと考えることができるでしょう。

そして、こうした変化にいち早く気づくことができれば、素早く対策を考えることができます。炎上ならすぐに火消しをしなければなりませんし、逆に流行の波に乗って流入が増えているようであれば、流入が増えたページを活かす施策を考えることができるのです。

 

3.新しい施策のヒントを見つけるため

アクセス解析は、サイト改善施策を考える際のヒントにもなります。

検索キーワードを分析することでユーザーのニーズを探り、コンテンツ制作に活かしたり、訪問経路を分析することで優良なユーザーを呼び込む参照元を見つけ、広告出稿時の参考にすることができます。スマートフォンでサイトを閲覧しているユーザーが多いのであれば、サイトのデザインをPCではなく、スマートフォンに傾倒させる必要がありますし、地方からの閲覧が多ければ地方在住者向けのコンテンツに絞ることだってできます。

アクセス解析で得られるデータには、お宝がいっぱい眠っています。だからこそ、愛情を持って探れば探るほど、アイデアのタネが転がっています。

ただし、そこに落とし穴があることも忘れてはいけません。いくらでも詳細を見ることができるからといって、目的を見失ってどんどん深く掘り下げていくと、時間ばかりかかってしまい、結局、見つかったのは根拠の薄いデータだけ、ということにもなりかねません。

解析データを使ってサイトを探るのは、あくまでも目標を達成するためです。ある程度のところで見切りをつけて、あとは推測で補完しましょう。分析よりも、施策の実行にパワーを注ぐことの方がよっぽど大切です。

 

4.行った施策の効果を測定するため

施策を行ったら検証しなければなりません。これもアクセス解析の目的の1つです。

先月試した広告は、サイトのファンを増やすことに貢献したのか? 記事数を増やしたことが、どの程度訪問増に寄与したのか? など、何か変化を加えたあとは、必ずデータを見てみて、次の施策に活かしましょう。

 

5.チーム内でのコミュニケーションの共通言語にするため

最後に、解析で明らかになるデータは、サイト運営に関わる全員の共通言語としても役立ちます。

なにか施策を講じる場合、「なんとなくその方が良さそうだから」という理由ではチーム全員の意思統一ができません。あるいはもう少し強い根拠があったとしても、それがある特定の人の個人的な経験からきた根拠だとすると、全員の納得はなかなか得られません(時には強引な舵取りも必要だと思いますが…)。

できる限り根拠のある施策を選ぶためにも、データを活用することが大切ですし、そうすると失敗した時の検証も全員の共通認識の中で行いやすいのです。

以上、普段私が意識している“解析をする目的”を5つ挙げました。上記したものを参考に「今、何のために解析をしているのか?」を意識して解析すると(あるいは解析レポートを見ると)、より発見性が増し、サイト運営にアクセス解析を有効活用していただけるのではないかと思います。

みなさまのオウンドメディア、あるいはコンテンツマーケティングが、アクセス解析によってワンランクアップすることを願っています!

遠山怜欧

2011年に設立されたインフォバーンKYOTOに、初期メンバーとして入社。大手メーカーやECサイトのディレクション業務を担当する一方で、上級ウェブ解析士資格を取得。コンテンツマーケティングを推進するインフォバーンにおいて、コンテンツアナリストとしてデータ解析を担当している。