コンテンツマーケティングとDMPを中心としたオーディエンスデータについて
こんにちは。インフォバーンの城口です。
アドテック東京が終了しましたね。今回のアドテックは、予想はしていましたがデータ周り(特にDMP=データ・マネジメント・プラットフォーム)についての話題が盛りだくさんでした。ブランド側、サプライヤー側ともに、ものすごく注目していて、その活用に対して模索しているのを肌で感じることができました。
今回のコラムでは、アドテックのインフォバーンブースでもご紹介したコンテンツマーケティングとDMPを中心としたオーディエンスデータについてお伝えしたいと思います。
DMPについてオウンドメディアで期待すること
コンテンツマーケティングをおさらいすると、ブランドやその製品、サービスのストーリーをコンテンツ化してオーディエンスに届け、共感を得て好きになってもらう、使ってもらうということです。
ストーリーをコンテンツとして届ける際、ブランドが伝えたいことをオーディエンスに共感してもらえるコンテンツとして作り上げること。そして、それを届けたい相手にどうやって届けるのかという2つが大きな課題となります。それらを戦略的に解決して最大効果を狙うことになります。
資産の活用が大事
コンテンツマーケティングを進めるにあたって、もうひとつ重要なテーマとなるのが「いかにして力を蓄積してマーケティングにおいてインパクトを与えるか」があります。
コンテンツマーケティングにおいて、社内に眠れる資産を有効活用することはものすごく大事なことです。社内にたくさん埋もれているコンテンツ資産やキャンペーンなどのプロモーション資産、これらが一過性のもので終わってしまうことが非常にもったいなく、オウンドメディア戦略が注目される理由もこの“もったいない”を解消したいという狙いからきていると思います。
今回のDMPの登場は、この傾向をさらに加速していくと思われます。コンテンツやプロモーション資産を活用しながら集めた「関心を持ってもらったオーディエンス」データを継続的に取得・蓄積し、マーケティングに活用していく、つまりこの“データ”を持つこと自体が企業にとって今後の大きな資産であり武器にすることが可能になりそうです。
今まで数字として見えてこなかったファン化・顧客化・ロイヤルティ化を可視化するとともに、コンテンツ軸で集まってきたオーディエンス(ファン化までいかないオーディエンス)も資産として考えることができます。
DMPについて
プライベートDMPを整備すれば、自社で保有するさまざまなデータだけでなく、関連企業やパートナー企業、社外のデータを結び付けることで、今まで仮説であったオーディエンス像をより精度高く描くことができます。見込み客を明確に定め、理解することで、対象となるオーディエンスを惹きつける展開がしやすくなるのです。
訪問者にとっても、自身の興味ある情報へ接触する割合が高まり、また無関係な情報を受け取らなくて済むようになるなど、より良い体験を提供できるようになるわけです。
ということでオウンドメディアにとって重要なポイントとしては、
- 自社サイトへの訪問者データを軸に、オーディエンス像をリアルタイムに更新性高く把握することが可能
- オーディエンスをセグメントしてオウンドメディア上でのレコメンドやメールを中心としたCRM、アドネットワークを活用したリターゲティングが可能になり、関係したオーディエンスとの結びつきを強化していく活動が可能
- これらの「打ち手」について施策データを蓄積し、オーディエンスデータと結び付けて管理することが可能
という点です。
一方で解決しなければならない課題も出てきています。データを丹念に見ていくと当然のことながらわかってきますが、オーディエンスの属性と嗜好性はバラバラでグループ化するのが大変困難なケースが出てきます。予算と人員の確保ができれば全方位的に対応することができるかもしれませんが、その展開を実行するのは想像するのも恐ろしい状況になります。
当然ながらシンプル化することが重要で、データを見ながら改めて「誰に」を検討し、そのオーディエンス群に対して「何を」「どのように」を考えることが必要になります。今までと違うことはデータをもとに仮説を立てることができることと、結果をデータをもとに追うことが可能なことです。
今後考えなければならないこと
Webコンテンツの管理方法や各施策のテストの蓄積、ソーシャル、アナリティクスを考えた設計がますます重要になるのと、それを使いこなしながら分析を行い、シンプル化されたクラスターに対してどのような“体験”を提供して態度変容を起こさせるかということが必要になります。その先にはさまざまなビジネス活用も見えてくるでしょう。
最後に少しだけ話がそれますが、今回のアドテックで感じたこととして、
とつくづく感じました。同じオーディエンスに対しても、帰属しているコミュニティやメディア発信のコンテンツ(信頼しているコンテンツ)と、帰属していない場所からのコンテンツでは浸透度が全く違います。
我々がコンテンツマーケティングで企業のオウンドメディア戦略をお手伝いさせていただく時も、この「コンテンツ浸透度をどのように上げていくか」が今後重要な鍵になると改めて思いました。
企業のオウンドメディアに求められることは、関わるオーディエンスの数を(潜在層・顕在層問わず)拡大しながら、それぞれのオーディエンスに対して帰属意識・好感度を上げるように努力し、届けるコンテンツ(ストーリー)の浸透度を上げていくことと言えるでしょう。
次回は実施施策をもとに、もう少し具体的な話をお届けしたいと思います。