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顧客に愛されるための3つの心理作戦

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photo:Thinkstock / Getty Images

 

こんにちは。コンテンツ開発ユニットの成田です。

最近ちょっと恋や仕事に悩むことがあって、行動心理学についての本を読んでいたら、コンテンツマーケティングとの親和性が非常に高いことを発見したので、その中から、顧客に愛されるための3つの心理作戦を紹介したいと思います。

1.キミだけは特別だよ♥ (バーナム効果)

占いの常套手段ですが、誰にでも当てはまるような普遍的なことを「自分」に関連づけることで、「当ってる!」と感じてしまう心理現象をバーナム効果と言います。

「キミは繊細だから傷つきやすいよね」「キミばかり仕事が忙しくて不公平だよね」「キミのように感受性の高い人は初めてだ」「あなたみたいに優しい人はほかにいない」…これらのセリフの共通点は、言われた本人が「自分だけは特別である」と信じられることです。このようなスイートなセリフが、実はコンテンツマーケティングにおいて、とても重要なカギを握ります。

たとえば、これを「ボクは繊細だから失恋すると簡単には立ち直れないんだよね」「ボクは感受性が高いから、キミの一言に敏感に反応しちゃうんだ」「ボクみたいに優しい男はほかにいないよ」などと言ったら、聞いた相手はどう思うでしょうか。恋人でさえ、ドン引きするのではないでしょうか。相手目線ではなく、自分都合の勝手なアピールゆえに「勝手にほざけ」となるわけです。

あなたが顧客にしたいターゲットに「わたしって特別?」と思ってもらうためには、まず相手の立場になって、相手の役に立つ、相手の気分がよくなる、メッセージを送らなければなりません。人によってそれほど行動心理に違いはないので、逆に特別なことを言わなくても「自分ゴト化」さえしてもらえれば、あなたの虜になる可能性はグッと高まることでしょう。

 

2.成田くんは根性だけはある、らしいよ (ウィンザー効果)

直接伝えられた情報よりも、第三者を介して伝わった話のほうが重要な情報だと感じる心理現象のことを「ウィンザー効果」と言います。さほど気にとめていなかった会社の女性について「◯◯さん、毎日あなたのことばかり話してるわよ」と誰かから間接的に聞くと、本人と直接話しているときより気になってしまうことってありますよね。たとえば、プロ野球の監督がよくマスコミを介して選手を褒めたり檄を飛ばしたりするのも、この「ウィンザー効果」を狙ったものです。

わたし自身、20代の頃に仕えていた鬼編集長には、いつも怒鳴られてばかりで、一度も褒められたことがありませんでした。ところが、社内の他部署の人や、一緒に仕事をしているライターやデザイナー、カメラマンなどから「成田くんは愚鈍だけど根性だけはある、って編集長が褒めてたよ」なんて聞かされると、この第三者を介した言葉に乗せられて、愚鈍を補うためにますます根性をフルスロットルにしてしまうわけです。これが逆だとどうでしょうか。直接褒めてくれる上司が、じつは陰でいつも自分の悪口を言っていた、としたら…。おぞましいですね。ことほどさように第三者視点のコメントは効果てきめんなのです。

Webマーケティング上におけるソーシャルメディアは、まさに第三者視点の評価です。今日のデジタルマーケティングにおいては、ソーシャルメディアなくして顧客とのエンゲージメントは成立しません。「ウインザー効果」を上手に生かし、いかにして口コミで評判形成をしていくかを考えながら、コンテンツを配信していくことがとても重要になります。

 

3.よりどりみどりで決められない! (決定回避の法則)

選択肢が多すぎて悩んだ経験は誰にでもあるかと思います。ファミレスやビッフェなどでよくありますよね。このように選択肢が多すぎて選べなくなることを「決定回避の法則」と言います。もしも、わたしの目の前に真木よう子と柴咲コウと杉原杏璃と仲里依紗と筧美和子が同時に現れて、全員から「わたしとつきあってください!」なんて言われたら、きっと迷いに迷って困ってしまうことでしょう。ところが、真木よう子だけが現れて「あなたが好きです!」と言われれば、迷う理由はまったくありません。

つまり、あなたがコンテンツマーケティングにおいてすべきことは、たった1人のターゲットを設定して、相手の琴線に触れるたった1つのポイントを訴求することです。そうすることで、ターゲットとなる人は、あなたの送るメッセージを自分ゴト化し、またソーシャルメディアを通じて周囲の評判に促されることで、あなたを選ぶ可能性が高くなるわけです。

ロシアの文豪、トルストイも言ってます。

多くの女性を愛した人間よりも、
たった1人の女性だけを愛した人間のほうが、
はるかに深く女というものを知っている。

あなたも「バーナム効果」「ウィンザー効果」「決定回避の法則」の3つの心理作戦を上手に使って、お客さんの心をわしづかみにしてみてはいかがでしょうか。

成田幸久

フェロー。AMEX会員誌、『ワイアード』日本版、JAL機内誌などで副編集長を務めた後、2004年インフォバーン入社。ニフティのブログサービス『ココログ』の立ち上げ時に、眞鍋かをりなどの著名人ブログをプロデュース。ほかにPC・モバイルと連動した通販誌『カタロガー』編集長、セブン-イレブンとヤフーの共同事業メディア『4B』の編集長を務めるなど、数多くのWebメディアの企画・運用を手がける。