アクセス動向のモデルから考察する、「スポンサードポスト」と「オウンドメディア」の使い分け方
コンテンツディレクターの長田(おさだ)です。
私はかつて、グループ会社のメディアジーンにおいて、「ギズモード・ジャパン」や「ライフハッカー[日本版]」などのプロデューサー職や編集長職を経験し、数多くのスポンサードポストを作成してきました。
その後、インフォバーンへ移籍し、現在ではオウンドメディアをはじめとする、さまざまなソリューション案件を担当しています。本記事では、それらの経験を踏まえ、Webメディアにおける「スポンサードポスト」と「オウンドメディア」の使い分け方について考察していきます。
ただし、それぞれの主な特徴については、すでに成田が当コラムの記事「コンテンツか? 広告か? それが問題、なのではない。〜コンテンツマーケティングにおけるブランドコンテンツ(ネイティブアド)の果たす役割〜」にて解説しています。今回は、さらに一歩踏み込み、自社サイトの「アクセス動向」のモデルを用いて、ご説明していきます。
「スポンサードポスト」を利用した場合のアクセス動向モデル
こちらの図は、Webメディアへスポンサードポストを出稿した際に期待できる、自社サイトへのアクセス動向モデルです。特徴的なのは、出稿したタイミングで出現する巨大なアクセス。一般的に「スパイク」と呼ばれている動きで、通常の運用では得られない、大きなアクセスを得ることができます。
ただし、これはあくまでも一時期な現象。それ以降は特に目立った動きが少なくなるのが特徴です。メディア側では、当該記事に対して、一定期間の間、誘導枠を設けるメニューなどを用意している場合もあります。それを利用すれば、効果の寿命を伸ばすことは可能ですが、それも誘導枠を掲載している間だけの話。長く続けるには、それなりに費用が必要になります。
「スポンサードポスト」における長所
- 一時的に大きなアクセスを得ることができる
- Webメディアのブランドを借りることができる
- 社内稟議を通すための、わかりやすい説得材料を得られる
「スポンサードポスト」における短所
- 効果は一時的なものでしかない
- 自社サイト自体のブランド価値向上にそれほど影響はない
日々数多くの記事を生産し、常に新しい情報に満ちあふれているWebメディア。「スポンサードポスト」出稿直後の注目度は爆発的なものですが、その後、その他もろもろの記事に埋もれていくスピードも早いという側面もあります。わかりやすい結果を出しやすいのですが、その効果も短いといえるでしょう。
「オウンドメディア」を開始した際のアクセス動向モデル
一方、こちらの図は、「オウンドメディア」の運用を開始した場合に想定できる、アクセス動向のモデルです。前提条件として、ローンチ時にプレスリリースなどを打ち、ある程度のPRを実施したこと。また、週に1本など、定期的に記事が更新され、都度SNSなどを通じ、告知されていることをあげておきます。
基本的に「スポンサードポスト」を打った時に比べると、アクセス推移に目立つ動きは見られません。また「オウンドメディア」を続けていくには、一定以上の社内リソースを割く必要も出てきます。
その反面、地道ながら着実にアクセスが成長していく様子が見られるかと思います。また、なにかトレンドに乗った場合は、記事広告の効果ほどではないにしろ、一定以上の「ピーク(山)」を作ることができるでしょう。
「オウンドメディア」の長所
- 中長期的に自社サイトの価値を高めることができる
- トレンドが来た場合、即座にキャッチアップできる
- オーディエンスとコミュニケーションをはかることで、ニーズにあった情報を提供できる
「オウンドメディア」の短所
- サイトの育成に時間がかかってしまう
- 社内のリソースがそれなりに必要となる
また、「オウンドメディア」は、自社サイト内へ設置されることが多いため、そこにパワーを蓄積していくことが可能になります。
新しい検索アルゴリズム「ハミングバード」を発表したGoogleは、求められている情報に対して、的確にオーディエンスを誘導していくことを約束しました。自社サイトにコンテンツがあるということは、まさにそれを誘引する要素となりえるのです。
まとめ
「スポンサードポスト」も「オウンドメディア」も一長一短であることは確かです。ですが、コンテンツマーケティング施策として、どちらも一定以上の効果を期待できることは間違いありません。ただし、それぞれに得手不得手があるため、使い分けは考えどころです。
なお、インフォバーングループでは、メディアジーンが男女さまざまなセグメントにターゲティングされた8つのメディアを運営し、インフォバーンがそれらWebメディアのノウハウを活かしたソリューション事業を展開しています。
スポンサードポストやオウンドメディアのニーズにお応えすることはもちろん、それらをハイブリッドした提案も可能です。なにかお困りになったことがあれば、いつでもご相談ください。