いまスポンサードポストが売れているワケ
こんにちは。メディアプランナーの土井です。グループ会社のメディアジーンが展開している8つのターゲットメディアの広告担当を務めています。
メディアジーンが提供している広告手法に、「スポンサードポスト」があります。ネイティブアドのひとつとして考えられている手法でもあり、メディアジーンでは、いま非常に人気のあるメニューとなっています。
いわゆる記事広告は、多くのメディアでもメニュー化しているのですが、なぜそういったメディアの記事広告よりも、メディアジーンのスポンサードポストが人気なのか。また、他のメディアが行っている記事広告と一体どこが違っているのか。
その理由を解き明かすために、我々がスポンサードポストを実施するうえで重要視している3つのポイントをご紹介します。
スポンサードポストを実施するときの3つのポイント
- 読者に信頼されているメディアであること
- 企業目線ではなく編集部目線での記事であること
- 記事が面白いこと
読者に信頼されているメディアであること
スポンサードポストを実施する場合には、まず媒体側の大前提として、「読者に信頼され、支持されているメディア」である必要があります。読者に信頼されていないメディアに広告記事を掲載しても、その記事を参考にして製品購入などに至ることは決してありません。メディアに信頼がない以上、広告記事も価値がないものと判断されてしまうからです。
通常の記事制作において、メディアジーンの各編集部は常に読者に対して真摯であり、ウソの情報で読者を混乱させるようなことは決して行いません。そして、その姿勢はスポンサードポストにおいても同じです。
編集部やライターが良いと思っていない製品を手放しで褒めるような記事は書きませんし、逆に「こういった機能があったほうがいい」と、企業目線では絶対に記載されないような情報でも、読者にメリットがあると判断した場合は、記事に盛り込んでいることさえあります。
企業目線ではなく編集部目線の記事であること
読者が求めているのはメディアの編集部が書いている記事であり、編集部の記事を読むために、読者はそのメディアを訪れています。旧来型の記事広告では、広告主である企業のリリースをほぼそのまま載せたりする場合もありますが、広告主目線のメッセージは読者に受け入れられることは少ないため、我々のメディアではそのような記事は掲載せず、基本的にはオリジナル記事として書き起こすようにしています。
編集部が読者にぜひ読んでほしいと考えているコンテンツしか載せていないこと、そして、それを読者が理解していること——読者と編集部の間に、こうした信頼関係があるからこそ実現できているのが、我々のスポンサードポストなのです。
※広告コンテンツであることを伏せて広告記事を掲載するのは、いわゆる「ステルスマーケティング」であり、読者からの信頼を著しく損なう行為です。こうした広告手法と区別するため、我々のスポンサードポストにはスポンサード表記を徹底しています。
記事が面白いこと
面白くないコンテンツは編集記事であろうと読んでもらえません。逆に、面白いコンテンツであれば、スポンサードポストでも読んでもらえますし、ソーシャルなどでの拡散も期待できます。
GIZMODO編集長・大野恭希は、「スポンサードポストこそ、編集記事の3倍の労力をかけて記事化する」とよく言うのですが、それは編集記事を疎かにするという意味ではありません。
スポンサードポストは、「広告主が伝えたい情報」を「編集部の目線で執筆」し、そのうえで「読者にとって面白いコンテンツを制作」する必要があります。
これは非常に難易度の高い編集作業であり、苦労をともなう調整が必要となることも多く、実際に編集記事の3倍の労力がかかっているのです。結果として、平均PVを編集記事と比較しても、ほとんど違いがないほどに、スポンサードポストは読者の皆さまに「GIZMODOのコンテンツ」として受け入れられています。
ネイティブアドという新しい広告手法は、その定義や存在を含めて、まだ議論の余地があることも理解しておく必要があります。
ただし、今回紹介した我々のスポンサードポストの強みは、ネイティブアドの概念が変わってもなんら揺らぐものではありません。また、真似しようと思っても、簡単に真似できるものではないと自負しています。
記事広告は読者から疎んじられる存在と思われがちですが、我々の実践しているスポンサードポストは、編集記事同様に「読者に喜んでもらうため」に作っているコンテンツです。こういった考えに基づいて、記事体広告を実践している媒体は実は、ほとんど存在していないのではないでしょうか。