そのカレーは、本当に食べたいものか? メニューオーダーから考察する「原稿依頼」の難しさ
はじめまして。記事作成に特化した「WRITES」プロジェクトのマネージャーを担当しております、斎藤滋ともうします。
突然ですが、皆さんはカレーは好きですか? 好きという方は非常に多いのではないでしょうか。嫌いという方は、そう多くはないと思います。
では、皆さんが好きなのはどんなカレーですか? 皆さんの心のなかに、それぞれの「好きなカレー」が思い浮かんだのではないでしょうか。国民食とも言われる一方、いや、だからこそ「カレー」のイメージは十人十色、百人百様で、その理由もまた千差万別かと思います。
さて、前フリが長くなりましたが、これが、私の考える原稿依頼の難しさでもあります。
母国語の原稿というのは、誰もがイメージできる一方で、Webページ制作のようにフレームワーク、デザインカンプ、ダミーページ……と多くの手順を経て完成することはレアケースで、おおまかなテーマと必須キーワード、トーン&マナー、文字数によっては構成案がある場合もあり、という程度ではないでしょうか。結果、初稿として形になった時点で関係者が「アレっ!?」と思うことが決して少なくないのも事実です。
クライアントに発注いただいた原稿をライターへ依頼する際に、常にこういった悩みを抱えています。『クオリティの高い原稿』と一口に言っても、そのクオリティの定義は、クライアント、営業、編集、ライター、そしてオーディエンスによってさまざまです。
では、どうすればいいのか?
評価される原稿は、その裏に、書き手がたとえ意識していなかったとしても、非常にロジカルな理由があります。いつどこに掲載され、どんなオーディエンスにどんなことを伝えたいのか……、それがしっかりと整理され満たされています。
それをクライアントに対していかに整理・共有し、必要に応じて提案すること、そしてその内容をライターに過不足なく伝え、補足し、確認することが我々の仕事だと考えております。
メニューを指して、「カレー!」とオーダーが入ったとして、辛くて黄色いものをサーブすればそれでOKなわけではなく、その日、その時、そのお客様が食べたいカレーを厨房に正しく伝えられるカレー屋でありたい、と私は思い、今日も原稿依頼の電話をしています。