コンテンツマーケティングを体系的に学べる本5冊
コンテンツマーケティングという言葉が定着した感のある2014年。しかし、実際にはどこから手をつけていくべきかわからず、悩んでいる方も多いかと思います。そこで今回は、コンテンツマーケティングについて初心に立ち返って整理し、体系的に学べる5冊をご紹介します。
ネット台頭によるメディアの大変動を2つの視点から学ぶ
まず必要なのは、コンテンツマーケティングの「基礎」。そもそも、これほどまでにコンテンツマーケティングが加熱した背景には、メディアの大変動があります。そのメディアの動き、Webメディアとはいったい何かを『新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に』と『5年後、メディアは稼げるか――Monetize or Die?』の2冊は解説してくれます。
■Webビジネス経営者視点
『新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に』(小林弘人著)
コンテンツ制作者、Webビジネス経営者視点から、ネットを使ってメディアをどう組成するか、それをどうやってビジネスにしていくのか具体的な事例と心構えを説明。
■雑誌編集者視点
『5年後、メディアは稼げるか――Monetize or Die?』(佐々木紀彦著)
東洋経済オンラインを、編集長就任後わずか4カ月でビジネス誌系サイトNo.1に導いた著者が、Webでメディアが生き残る方法を解説。
Webビジネスの経営者視点から、Web上のコンテンツの価値は雑誌や新聞などの紙メディアに相当することを指摘した『新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に』に対し、雑誌編集者視点からWebメディア運営のマネタイズの難しさを語った『5年後、メディアは稼げるか――Monetize or Die?』。どちらも切り口は違うものの、メディアを取り巻く新しい環境を解説し、メディアがもつコミュニティの価値を教えてくれます。
メディアとは、特定の読者に対して情報を提供し、コミュニティを形成し、そのコミュニティに価値が宿ること。これまで企業はコミュニティの価値の対価として、広告という形で予算を費やしてきました。しかし、現在は人々が情報を得る手段がネット中心にシフトしてきているため、マスメディアのコミュニティの力は弱まり、逆にネットに力を持ったコミュニティが登場。コンテンツマーケティングの発想とは、これまでメディアしか持っていなかったそのコミュニティを、企業自らがもつことで顧客を理解し、絆を深めるマーケティングをしようということなのです。
コンテンツマーケティングのカギを握る3つの要素
現在のメディア環境について理解が深まったら、次は実践です。コンテンツマーケティングの実践には、3つの要素が存在します。それは、コンテンツの「企画」、それを形にする「表現」、そしてメディアと読者の絆をさらに深める「戦略」です。以下の3冊はこれら要素を解説してくれます。
■企画
『アイデアのちから』(チップ・ハース、ダン・ハース著)
2人の著者によって人を行動に駆り立てる言葉を分析し、その原則がまとめられている。人に忘れ去られない、記憶に焼き付きやすいコンテンツを生み出す方法のヒントがわかる。
■表現
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』(古賀史健著)
第一線で活躍するライター古賀史建による、「書くこと」について語った一冊。文書を徹底的に解剖し、人に伝わる文書を書く技術を教えてくれる。
■戦略
『メディア化する企業はなぜ強いのか? ~フリー、シェア、ソーシャルで利益をあげる新常識 (生きる技術!叢書)』(小林弘人著)
企業のメディア化のメカニズムを解説する本書。企業はメディアをどのように使って顧客との絆を深めるべきか、その戦略が書かれている。
3つの要素のうち、どれか1つでも欠けてしまうとコンテンツマーケティングはうまく機能しません。いま世間ではこの気運が高まっているから、こういうニーズが生まれるだろうと予想し、それを適切な言葉を用いて、タイミングを選んで情報発信する。そんな人間力で、コンテンツマーケティングはやっと成立するのです。
コンテンツマーケティングの体得は、1日にしてならず
とてつもないスピードで日々進化するのがWeb業界。昨年一気に普及したキュレーションメディアや、またそれを利用してコンテンツを読者に届けるコンテンツディストリビューションなど、今回紹介した著書には載っていない新しい戦略がこの1年だけでも次々と出現しました。
コンテンツは届かなければ意味がありません。今回紹介した5冊を基本に、日々勉強して独自のマーケティング戦略をつくりだしていくことが、コンテンツマーケティング成功への近道です。